# Visual Basic 6.0 (VB6) の
ダウンロードについて
WARNING
この記事は 2012年9月30日に書かれました。 2019年2月19日現在でも 10~20 PV/日 程度で自分のサイトの中では意外とアクセス数があります。
Visual Studio 6.0 のダウンロード方法について、 調べたことをまとめています。 なお、Visual Basic 6.0 は、 プログラミング言語で、Visual Studio 6.0 は、 Visual Basic 6.0 でプログラムを書くのに必要な開発環境です。
# 結論
年間10万円以上支払ってでも Microsoft と MSDN サブスクリプションの契約をして、 Visual Studio 6.0 をダウンロードすることを強く勧めたいと思います。
- Visual Studio Professional with MSDN ¥149,900 年間 ¥99,890 更新 (opens new window)
- サブスクリプション レベル別の利用可能製品一覧 (opens new window)
その理由は、2つあります。
1つめの理由は、 Visual Studio 6.0 を使用するには、 恐らく MSDN サブスクリプションを契約するより他に無いからです。 例えば、中古で買うなどの方法も考えられますが、 いまの環境で動かないリスクがあります。 動かなかった結果、環境構築でやり直しが発生するのと、 中古で買った7,8万円ほどする Visual Basic 6.0 が無駄になります。
2つめの理由は、別の無料の言語で書き換えるなど、他に良さそうな代替案が無いからです。 例えば、Visual Basic 6.0 での後継言語である Visual Basic .NET でフルスクラッチで書き直すことも考えられますが、 触ったことも無い古い言語のプログラムをフルスクラッチで書き直すことは難易度の高い作業であり、 開発コストが増大する可能性があります。言語学習に1ヶ月かかったら、 その人件費で余裕でMSDNサブスクリプション1年分が契約できてしまいます。
以下、方針①「ダウンロードの方法」と方針②「代替案」について、それぞれ検討してみました。
# 方針① ダウンロード方法の検討
ダウンロード方法を4つほど検討しました。MSDNサブスクリプションには、年間契約で15万円近くかかるためです。 こちらのサイト (opens new window) を参考にしています。 しかし、基本的に以下のようにするより他には無いようです。
MSDNサブスクリプションを契約して Visual Studio 6.0 をダウンロード
# 方法A. Microsoft と MSDN サブスクリプションを契約
Visual Studio 6.0 Enterprise を取得には最低でも VS Professional with MSDN が必要
- Visual Studio Professional with MSDN ¥149,900 年間 ¥99,890 更新 (opens new window)
- サブスクリプション レベル別の利用可能製品一覧 (opens new window)
# 方法B. 中古品(ネットオークション等)で探す。
探してみましたが、やはり中古ということで Windows XP 非対応 Windows95/WinNT4.0Ws 対応って書いてあるけど、XP対応とは書いてない...
# 方法C. 新バージョンを購入して、ダウングレードする。
上記に記載した参考にしたサイトには『ただし、この方法の問題点として、VB6のDiskKitがもう手に入らないので、 「新規ライセンスの購入」ができず、購入してもインストールする手段が無い。』と記載がありました。 意図が掴めないのですが、ほぼ不可能に近い手段ということでしょうか。
# 方法D. ネットで転がっていないか探してみる。
# a. Express Edition を探す
まず Visual Basic 6.0 は、基本的に有償で、無料の Express Edition はありません。 Visual Basic 6.0 の Edition は、下記のサイトに記載されています。
# b. Google で検索する、その1
Google で検索すると、下記のリンクがヒットします。何やらフリーで使えそうですね。 しかし、これは 「ランタイムライブラリ (opens new window)」 という組み上げたプログラムを実際に動かすときに必要になるソフトです。 開発環境である Visual Studio 6.0 ではないので注意してください。
# c. Google で検索する、その2
Google で検索すると、下記のサイトがヒットします。 しかし、ダウンロードすることはできません。 上下左右にでかでかと「Download」と書かれた、 恐らくマルウェアと思われるソフトのダウンロードリンクがはられているだけです。 そして画面下側に「ダウンロードはまだ利用できません。あなた自身で追加してください。」と、 ふざけた文章が、ごく小さい文字で記載されています。
# d. Google で検索する、その3
日本語圏では見つからないものの、英語圏のウェブサイトを巡回していたら発見したという噂も聞きました。
# リスク
また、ここでは確認していませんが、特に中古等で取得した場合、 そもそも Visual Studio 6.0、Visual Basic 6.0 自体が古い技術なので、 つぎの2つはリスクがあると認識しておいた方が、良いのではないでしょうか。 また正直なところ確認のしようもないので、正規版を買った方が、安全かつはやいのではないでしょうか。
- ダウンロードした開発環境が、自身の環境(XP, Vista, 7) で動作しないリスク
- コンパイルした実行ファイルが、自身の環境(XP, Vista, 7) で動作しないリスク
# 方針② 代替案の検討 Visual Basic .NET で書き直す。
もしコード量がごく少なく、かつ開発者が Visual Basic 2010 や VBA などに習熟している場合、以下のような方法も考えられます。
Visual Basic 6.0 ではなく Visual Basic .NET でフルスクラッチで書き直す。
# 変換機能
また、Visual Studio 2008 には Visual Basic 6.0 で書かれたプログラムを Visual Basic 2008 に変換する機能がついているので、 これを活用することも考えられます。ちなみにプロジェクトを開く動作をすれば、そのまま変換してくれるみたいです。
- ウィザードにアクセスするには、[ファイル] メニューの [開く] をポイント
- [プロジェクト/ソリューション]、[Web サイト]、または [ファイル] をクリック
- [開く] ダイアログ ボックスで、.vcproj、.csproj、.vbproj、.sln のいずれかのファイルの種類を選択
Visual Studio 2008 は、下記のサイトからダウンロードしてください。 もちろん iso ファイルなので、普通に読み込ませることはできません。 適宜CDにコピーするか。 あるいは フリーのisoリーダ (opens new window) を使って読み込ませてください。
# 変換機能を利用するにあたり留意したいこと
- Visual Studio 2010 以降は、変換機能に未対応(2012/09/30現在)
- 変換機能の性能は、良くない。
【山崎】 移行についてよくいわれるのは「アップグレード・ウィザード*って使えませんよね」ということです。
第2回 VB研公開ゼミ 「私はコレで、VB 6を卒業しました」 (opens new window)
# リスク
Visual Basic そのものの学習コストが 相当 高くつく可能性があります。 プログラミングは、触りながら覚えていくところがありますから、純粋に学習コストを測ることはできませんが。
特に、過去に Visual Basic 2010 や VBA などを触っていない場合は、 2つの新しい言語を覚えることになり、学習自体に絶望的に時間がかかってしまう可能性が非常に高いです。
つぎの2つを天秤にかける必要があるかと思います。 以後、頻繁な改修が予想されない場合、1人月開発期間が伸びたら、 その時点で、MSDNサブスクリプションを契約したほうが安上がりではないかと考えてしまいます。
- 「年間のMSDNの契約金」+「VB6での一部改修にかかる人権費」
- 「新しい言語でフルスクラッチで書き直す人件費」
# 補足
# 補足A. Visual Basic 6.0、Visual Studio 6.0 の情報は、探しづらい
理由は2つ考えられます。 1つめの理由は、プログラミング言語 Visual Basic 6.0 と、その開発環境である Visual Studio 6.0 が、古いからです。 2つめの理由は、一時期公開が停止されていたからです。
公開中止の対象のリストに Microsoft Visual Studio 6.0 が記載されています(MSDN サブスクライバ ダウンロードサイトからの MSJVM を含む製品の提供停止に関するご案内 (opens new window))。現在は、MSDNサブスクリプションにて公開が再開されています(日本語版 Visual Basic 6.0 提供再開に関するご案内 (opens new window))。
# 補足B. Visual Studio は、大きく3つのバージョンに分けられる
Visual Basic は、旧来版のバージョン、Excelのマクロ、.NETの3種類の系統に大きく分けられます。勿論、Visual Basic は、各バージョンごとにも差異は存在します。Visual Basic 6.0 以前の系統と Visual Basic for Applications(VBA) 、 Visual Basic .NET の系統は、ぱっと見で構文が似てはいるんですけどね。
1995 | Visual Basic 4.0 | 旧来版 |
1997 | Visual Basic 5.0 | 旧来版 |
1998 | Visual Basic 6.0 | 旧来版 |
---- | Visual Basic for Applications 7.0 | VBA(Excelのマクロのこと) |
2002 | Visual Basic .NET 2002 | .NET Framework対応版 |
2003 | Visual Basic .NET 2003 | .NET Framework対応版 |
2005 | Visual Basic 2005 | .NET Framework対応版 |
2007 | Visual Basic 2008 | .NET Framework対応版 |
2010 | Visual Basic 2010 | .NET Framework対応版 |
# 補足C. Visual Basic 6.0 の将来性
Visual Basic 6.0 は、かなり古い言語で、太古のラピュタのごとく失われた技術のような印象をもっていたのですが、これからもサポート"するだろう"という予測があります。事実、この記事には、平日だと、1日でどんなに少なくても30件のアクセスがあります。意外と多くてビックリしています。
ただし、後継の言語とは互換性は無いにしても、 よく似ているので、勉強して無駄になると言うことはないかと思います。 無駄になりそうな、環境の確保などの導入部分について、ここで頑張ってみました(>_<)
- Visual Basic 6が未だに生き残っている理由 (opens new window)
- 物言わぬ多数派: Visual Basic 6 が今でも成功している理由 (opens new window)
- VB6を使い続けること - ベンチャー社長で技術者で (opens new window)
- 古いプログラミング言語がなくならない理由 (opens new window)
# 補足D. インストール手順
恐らく、これが一番わかりやすいかと思います。完全にいっしょではないと思うのですが、 さっと目を通すと、MSDN を買ってもらえた後にする作業がイメージしやすくなると思います。
# 補足E. たどり着くまでの道のり
上記のことが理解できていなかったので、 Visual Basic のサンプルプログラムをダウンロードしてから開発環境を用意するまでに回り道すること1週間近く時間を労しました。 なお、私は調査の手伝いをしただけで、実際に導入、開発をしたのは友人になります。
- Visual Basic 6.0 のサンプルプログラムをダウンロードする。
- Excel の Visual Basic Editor に読ませようとするもうまくいかず。
- Excel のマクロ(VBA)と Visual Basic が別物である事に気づく。
- Microsoft の Official サイトから Visual Basic Studio 2010 をインストールするもうまくいかず。
- Visual Basic 6.0 と Visual Basic .NET が別物である事に気づく。
- Visual Basic 6.0 の環境を取得。
- インストール、開発開始
# 結論
上長を説得の上、年間10万円以上支払い MSDN サブスクリプションを契約して開発環境である Visual Studio 6.0 をダウンロードすることを強く勧めたいと思います。
その理由は、MSDNサブスクリプションが高いからと言って Visual Studio 6.0 の中古で探したり、あるいは Visual Basic .NET で書き直すことは、逆に開発コストを上げるリスクを含んでいるからです。
もし安く仕上げられると思えば、まずその方法で着手し、成功した後に、いかにコストがかかるところを安く押さえたかをアピールしてください。
もしそれがダメだったら、MSDNサブスクリプションを上長に契約してもらう際の説明の資料として、本記事が少しでもお役に立てると幸いでございます。